身体

NHK大河ドラマで話題、実業家・渋沢栄一も実践した健康法

NHKの2021年の大河ドラマは「青天を衝け」というタイトルで、明治の実業家の渋沢栄一が主人公の話です。渋沢栄一は幕臣から明治政府の役人として働いたのち、実業家として活躍した人物です。設立に携わった企業の数は500以上にのぼり、みずほ銀行や東京ガス、王子製紙、キリンホールディングス、帝国ホテル、東洋紡など有名な企業が多数あります。そんな渋沢栄一が実践していた健康法があるというのです。今回はその健康法についてまとめてみました。

渋沢栄一氏が称賛した「坂本屈伸道」とは?

その健康法とは「坂本屈伸道」といいます。開発したのは坂本謹吾という人物で、明治元年(1868年)頃、現在の新潟県に生まれたとされています。彼は地元で柔術や水泳を学んだのち、高等小学校の教育に携わっていました。そして明治39年に上京して現在の文京区に「修養塾」という学生向けの小さな寄宿舎を始めました。彼は寒中水泳に耐えられる体づくりを研究し、自らを実験台としながらいろいろと研究を重ねたようです。その流れのなかで開発されたのが「坂本屈伸道」なのです。

             創始者の坂本謹吾さん

「坂本屈伸道」はこちらからデジタル保存されたものを見ることができます。

筋トレが苦手な人へおすすめの健康法

身体を鍛えたほうがよいのはわかるが、毎日筋トレするほどのモチベーションは無い人へおすすめです。きちんとやれば、一日5分でも違いが出てくることが分かると思います。

効果

肩こりやからだの痛みが緩和される効果が考えられます。単純な動きですが、現代人は生活が便利になっているので、明治や昭和初期よりも格段に動作は小さくなっています。加えてパソコンの作業の増加や、スマホやタブレットを使っている時間が増えているので、どうしても前かがみで姿勢が固まりがちなのです。このエクセサイズは、横隔膜を動かすことにより、肋骨内の胸の空間(胸腔)と腹付近の空間が腹筋が動くことによってお互いの内圧が変化して調和するようになります。結果としては、柔らかくなったり、動きが出てきます。血行がよくなり、身体の面でも精神的にも楽になると考えられます。

ナウリ(ウッディーヤーナ・バンダ)と共通する部分があると思います。詳しくはこちらをクリックしてご覧下さい。

野口英世博士の推薦の言葉

千円札でも有名な野口英世さんも、坂本屈伸道に対して推薦のコメントを残しています。以下がその内容です。

「いかにして腹を動かすべきかは欧米の体育家・医学者などが研究してきたが、まだ適当な方法が発見されていない。屈伸道は腹部を動かす極めて完全な方法であるから、実に世界的な良運動法であるといえる」

具体的なやり方

「坂本屈伸道」の本の中には、以下のことが書かれています以下は著書からの抜粋です。

『この道は、体操にもあらず、武術にもあらず、また座禅にもあらず、寒中水泳が基で、腹の謎を解いたもので、人体自然の生存法である。従って、その修行もまた人により、自然そのままを標準とすることがなによりも肝心である』

開発者の坂本さんは、単純に体を動かす方法と考えておらず、大自然に接するように、宇宙と一体化するような心持で行うことを推奨しているようです。そのため、日本の武道が「礼」から始まるようにまず、「礼」をするところから始めます。

具体的なやり方(座ってやる方法)

最初に一礼をする。【下の画像をご参考に下さい。創始者の坂本氏です】

1・上体をかがめる。無理しない程度、痛みが出ない程度に前にかがみます。両手はヒザ付近に置いて、曲げたときにヒジが外を向くように置きます【下の画像を参照】

2・お腹を内側に凹ます。力を抜いて凹ませるだけ凹ませます【下の画像を参照】


3・お腹をふくらませる。力は入れないようにしてゆっくりとお腹をもどします【下の画像を参照】

4・上体を伸ばします。最初に座っていた正座の状態から少しだけ後ろまで首を反らします【下の画像を参照】

1から4を1分くらいかけて行います。これを5分から10分くらい毎日実践します。大切なのは自分が気持ちよくできることだと思います。

立ってやる方法

1・立ち方。肩幅程度に足を開いて立ちます。なるべくリラックスして体の力を抜いて立ちます。
2・状態を前にかがめます。ヒザは伸ばした状態で、自然に頭・腕を垂らします。力は入れずにリラックスした状態です。
3・状態を後ろに伸ばします。両手を上にあげながら、首を反らします。

慢性病をお持ちの方や体調の悪い方は、無理をしてはいけません。医師などと相談して十分に注意を払って実践して下さい。

まとめ

簡単な動きですが、本物の健康法は一見単純に見えるものなのかもしれません。なにはともあれ5分間でも実際にやってみて下さい!効果を感じていただけると思います。